第61回 FF-TCG 『ChapterV 開発秘話2』-

プレリリースパーティーも盛況のうちに終了し、いよいよ発売となった『Chapter V』ですが、プレリリースパーティーの会場などでいくつか聞かれたことがありましたので、前回の「製作秘話」の補足という形で述べていきたいと思います。

他人のものは支払いに使えない

前回のブレイクゾーンに置くところの話と似ているのですが、『Chapter V』からアクションアビリティやスペシャルアビリティ、または代用コストなどのコストとしてキャラクターをダルにしたりブレイクゾーンに置いたりする場合、「あなたのコントロールする」という言葉を排除することになりました。

今までのカードには【2-012R】パロムのスペシャルアビリティのように「あなたのコントロールする」と明記してあるものもありますが、これだと前回少し触れたように4行半のテキストを圧迫してしまうこともあるので、このような形に統一することになりました。

「支払いをするときには他人のものを代金とすることはできない」と覚えておくと、分かりやすいでしょう。

再録カード

プレリリースパーティーに参加された方はご存知かと思いますが、『Chapter V』には各属性に1枚ずつ『Chapter I』からの再録カードが存在します。【1-007C】幻術師をはじめとする特殊な能力を持たない1コストのバックアップたちなのですが、これを再録すると決めた背景に、『Chapter V』の立ち位置がありました。

『Chapter V』からはそれだけでデッキを組む「Chapter V 構築」という新たなフォーマットも登場しますが、どうしてもフィールドに出す枚数制限がない1コストのバックアップの存在が、デッキ構築において重要になってきます。

はじめは新たにそういうカードを作るという話がありました。実際、開発の最初期段階では新たな赤魔道師や学者を作り、幻術師と同じ性能を持たせていました。しかし、開発を進めていくうちに赤魔道師や学者には今までのものと同じように特徴的な能力を持たせるべき、という意見が出てきました。また、「Chapter V 構築」の場合はともかく、一般的な形式であるすべてのカードが使える「スタンダード」だと、同じ属性のカードプールの中に能力を持たない1コストのバックアップが2種類存在することになります。おそらく6枚どころか4枚も入ることはないこの手のカードのために、せっかくのジョブを振り分けることはあまりいいこととは言えません。それらのことを考慮し議論を重ねた結果、再録カードを作るという方針に決定したのです。

また、その決定にいたる1つの大きな要因として、新規参入プレイヤーのために必要最低限のカードを手に入れやすくしなくてはならない、ということがあります。これは『FF-TCG』の開発がスタートしたときから考えていたことで(FF-TCGは開発当初から長期展開予定で作り始めているので)、『Chapter V』は時期的にもちょうどいい機会でした。

なお、今後のシリーズでも使い勝手のいい再録カードを収録する予定ですが、レアやスペシャルレアのようなコレクション性の高いカードに関しては今回のような形で再録することはありませんのでご安心ください。

『Chpter V』の開発秘話はこれくらいで終わりましょう。今月からは新たな大規模トーナメント『MASTERS』がはじまりました。新フォーマットが始まる店舗大会ともどもお楽しみください。