第7回 FFTCGデッキラボラトリー:Chapter1環境まとめ編:雷風ジタン

 前回に引き続き、『FFTCGデッキラボラトリー』では、Chapter1で活躍したデッキを紹介していきたいと思います。
 第2回で紹介するのは、もうひとつの【1-060S】ジタンデッキ、雷風ジタンデッキです。

■雷風ジタンサンプルデッキ

■このデッキのキーカード

 もちろん、最大のキーカードは【1-060S】ジタンですが、【1-060S】ジタンについては前回を読んでいただくとして、もうひとつのキーカードを紹介いたしましょう。
 それは【1-103R】オーディンと【1-112U】シーモアの2枚です。
 コスト4以下を効率よくブレイクできるため、フィールド上でジタンの行く先をふさぐフォワードをどかしていくこのデッキにおいて、この2枚が重要な働きをみせてくれます。

■キーカードを活かすコンセプト

 ジタンデッキの基本的な戦術は前回紹介した火風ジタンと同じく、

1.相手のブロッカーを除去することと、
2.相手のブロッカーを無効化することです。

 雷風ジタンでは、1.の要素を【1-103R】オーディンと【1-112U】シーモアという雷属性の得意とする直接的なブレイク能力でサポートし、また、2.も【1-117U】ライトニングや、サンプルデッキには入っていませんが【1-109C】ケットシーといったダルにする能力で実現しています。
 さらに、序盤から激しく攻めていく火風ジタンに対して、雷風ジタンでは、中盤戦以降も攻め手を緩めない工夫がなされています。
 その典型的な例が、【1-110C】賢者による回収能力でしょう。
 ただでさえ対応が難しい【1-060S】ジタンをブレイクゾーンから回収されてしまったら、対戦相手は苦戦すること必至です。また、4コストのバックアップながら、キャラクターを回収することで、実質2コストのバックアップとして序盤の動きを円滑にする補助になっていることにも注目です。

 同じように、【1-116S】ライトニングも、戦線突破を助ける【1-103R】オーディンを手札に加えつつフィールドに登場するため、事実上の4コスト9000のフォワードとして【1-060S】ジタンとは別に、サイズの大きさによって中盤以降も攻守の要となってくれます。
 この2枚のように、序盤と中盤以降で役割を変えつつも粘り強い戦いをサポートしてくれるカードが存在するのが雷属性を【1-060S】ジタンの相方に選択する理由となります。
 もちろん、EXバーストで問答無用に相手のフォワードをブレイクしてくれる【1-104U】オーディンも、守勢に回らされた時の一発逆転として頼りになります。

■火風ジタンの弱点

 火風ジタン同様に、このデッキでも最大の敵となるのは、【1-103R】オーディンや【1-112U】シーモアでも対応できない3コスト以下のフォワード、つまり【1-060S】ジタンです。
 相手のフォワードをパワーに関係なくブレイクできる点では、雷風の方が対応力が高く、より多くのデッキと戦いやすいのですが、一方で、低コストのフォワードの量・質ともに火属性に軍配が上がるため、結果、直接対決では火風ジタンが有利な展開を作れることも。
 雷の低コストフォワードの質と、展開力の低さを補うために、【1-112U】シーモアや【1-103R】オーディンなどの対応力の高いカードに雷のカードの枚数を絞り、風属性のバックアップを増やして、【1-067R】バッツや【1-053U】エアリスによる展開力を重視する別タイプの風雷ジタンも存在しますが、当然、デッキの安定性や粘り強さを犠牲にすることになるので一長一短の構築となります。

■Chapter2以降の雷風ジタン

 もうひとつの【1-060S】ジタンデッキ、雷風ジタンはChapter2以降、どうなっていくでしょうか?
 まず、重要な追加カードに【2-068S】カインが挙げられるでしょう。
 【1-116S】ライトニングなどのパワー9000はもちろん、【1-162S】セフィロスにすら止められてしまう8000というパワーこそ心許ないものの、さらなる【1-060S】ジタン突破サポートとして、フィールドに出たときのオートアビリティでコスト3の以下のフォワードを破壊できるのは、フィールド上の優位としても、また、相手がコスト3のフォワードを出すのに使用したCPとの相対的な関係においても、大きなアドバンテージとなります。
 一見使いにくそうなスペシャルアビリティですが、1度使えるだけでも大きくフィールドの天秤を傾けることのできる強力な能力です。
 【2-070E】カインは、強引に攻撃を通すこのデッキのコンセプトと合致している上に、【1-101C】赤魔道師による奇襲によって【2-068S】カインにレベルアップすることで、相手の計算を大きく狂わすことが期待出来るかも知れません。

 一方的に【1-060S】ジタンに勝てるコスト2のカード、【2-082C】竜騎士も含めて、低コスト域が充実したのがChapter 2での雷属性の収穫ですが、現状の雷風ジタンにこれらのカードを入れるスペースがあるかどうかは難しく、全部採用するとなると、また別のコンセプトのデッキになるでしょう。

 また、このデッキを使う上で障害となるであろうChapter 2のカードにも注目しておきましょう。
 火風ジタンと同様に【2-092S】ユウナは大きな障害となります。とくに雷風ジタンの場合、【2-092S】ユウナのスペシャルアビリティによって雷属性になることで【1-112U】シーモアの能力を避けられてしまうことも覚えておきたいポイントです。
 同じく水属性の【2-090C】魔界幻士は、デッキの強さを支える【1-103R】オーディンを無効化してくるカードです。水属性と戦う時にはこのカードを相手が使ってくることは常に念頭に置いておきましょう。
 ライバルである火属性に、【1-103R】オーディンの効かないフィニッシュブローである【2-009S】ティファが増えたことも力関係に変化をもたらすかもしれません。これまでは序盤をしのぎきれば、中盤以降、地力で押し返せる展開が期待できましたが、今後は中盤以降も苦しい戦いが強いられることになるでしょう。

 総合的に見た場合、Chapter1でもっとも強力なデッキだったと言える雷風ジタン。
 今後も【1-060S】ジタンデッキ最強の座を、火風と争うのか、それとも新たなデッキが王座を奪還するのかがChapter 2環境の見所の一つかもしれません。