第6回 FFTCGデッキラボラトリー:Chapter1環境まとめ編:火風ジタン
今回から始まった『FFTCGデッキラボラトリー』では、大会で好成績を残したデッキから、面白いテーマデッキまで様々なデッキの情報をお届けしていきます。
まず、Chapter2の環境を考えるための下地として、Chapter1環境で活躍したデッキをいくつか紹介していきます。
Chapter1環境でも最強デッキと呼ばれた、「火風ジタン」デッキです。
■火風ジタンサンプルデッキ
フォワード 計24枚
召喚獣 計8枚
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バックアップ 計18枚
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■このデッキのキーカード

このデッキのキーとなるカードは、【1-060S】ジタンです。
・対戦相手の効果によって選ばれない。
・コスト4以上のフォワードにブロックされない。
このふたつの能力によって、実質コスト3以下のフォワードでのブロックでしか対処できず、7点のダメージで勝敗が決まるFF-TCGでは、ゲームを決定づける切り札となりえます。
Chapter1環境ではジタンに対処するべく、3コスト以下、パワー4000以上のカードを投入することが求められていました。
■キーカードを活かすコンセプト
ジタンの強みは、対応できるカードの種類が少なく、実際にデッキに投入できる枚数はさらに絞られる所にあります。その数少ない対応策を退けていくのがこのデッキの基本的なコンセプトになります。
このデッキで採用されている戦術は大きくわけてふたつです。
1.相手のブロッカーを除去する。

3コスト以下のフォワードのパワーは、かなり優秀なものでも7000に設定されています。そのため、7000のダメージを与える【1-019U】ブリュンヒルデはジタンの前に立ちはだかるほとんどのフォワードを除去することが可能です。
また、【1-023R】レッドXIIIはコスト3でパワー7000と相手のジタンに対応できるだけでなく、SA(スペシャルアビリティー)の『コスモメモリー』によって、3コスト以下のフォワードをなぎ払い、選ぶことなくダメージを与えるので、相手のジタンに対処することすら可能です。フィールドに出たときのオートアビリティも、ジタン同士のにらみ合いを一時的に突破できることを覚えておきましょう。
2.相手のブロッカーを無効化する。
直接除去するだけでなく、ブロックすることを阻害することでも、このデッキではほとんど同じ効果を期待できます。
ここで活躍するのが【1-003C】赤魔道師です。
臨機応変に対処するカードを選べるこのバックアップによって、ジタン以外のフォワードが、相手のフォワード1体で止まってしまう事態を減らし、より決着を早めることも可能となるのです。
これらの戦術でサポートし、優秀な小型フォワードによる攻撃で7点のダメージをねじ込むのが火風ジタンの基本的な戦略となります。が、押し切れず、相手が持ち直してきて均衡しまうこともよくあるでしょう。
そんなときに頼りになるのが【1-015S】バハムートです。
パワー10000を2体破壊するこの召喚獣の能力は、相手のフォワードを強い方から2体破壊することとほぼ同意です。均衡している状態から、一方的に強いフォワードを2体失ってしまっては、再び持ち直す前に、勝負が決まってしまうでしょう。
欠点は、9という決して少なくないコストですが、バックアップを3体展開していれば、3枚の手札+バハムートで使用することが可能なので、実際はかなり現実的に使用可能です。逆に、相手の手札やバックアップの枚数次第でいつでもバハムートの可能性があります。対応できるとは限りませんが、火風ジタンと戦う時には意識しておきましょう。
■火風ジタンの弱点
自分から能動的に攻めて相手に対応をもとめるデッキタイプである上に、相手の対応に対する対応策を多く用意している「火風ジタン」は、弱点らしい弱点がないデッキであると言えます。強いて言えば、対処しにくい、3コスト以下のカードが一番の弱点です。
そうジタンの敵はジタン。相手のジタンがこのデッキ最大の障害となります。相手のジタン対策として、こちらのフォワードだけ一回り大きくなる【1-069R】マリアが採用されていますが、逆に、相手にだけマリアがいる状況になると絶望的になってしまいます。
さらに、赤魔道師・マリア・弓使いとバックアップがキーになっているので、【1-097U】ヘカトンケイルのようなバックアップ破壊も対抗策として用意しておきたいところです。どの属性でも使える【1-162S】セフィロスが強い理由のひとつはここにあります。
フォワードの除去を【1-051U】アレキサンダーとブリュンヒルデに頼っているので、召喚獣に耐性がある、もしくは、4コスト以下でパワーが8000以上のカードを除去しにくいのも弱点と言えます。ジタンを止められる3コストかつ、召喚獣で対処できない【1-042R】ティナや、4コストでまわりにフォワードがいればパワーが8000を超える【1-133S】ティーダは、デッキの構成次第ではやっかいな相手になるでしょう。
■Chapter2以降の火風ジタン

Chapter2の登場によって「火風ジタン」がどうなっていくでしょうか?
事実上、火と風の強力カードを詰め合わせて構築されているデッキのため、単純にChapter2で登場した強力カードが入れ替わって投入される形になります。
とくに、3コスト以下に多いパワー6000以下をほぼ損失無しで除去できるバックアップである【2-001U】アーヴァインと、相手のブロッカーを1体無効化しつつ、自身もパワー9000という止められにくいアタッカーである【2-009S】ティファは大幅にこのデッキを強化するでしょう。
また、4コストパワー9000という圧倒的なコストパフォーマンスの【2-016R】ルビカンテは、中盤以降の突破力としてデメリットを無視してでも投入の価値があります。
最後に、【2-004C】ガドーの持つ、2コスト:リンク2にも注目しておきましょう。カードのパワーでは今までの火風ジタンに入るスペックではありませんが、【2-008C】たまねぎ剣士まで投入した2コスト中心の超高速ジタンとでもいうべきデッキの可能性を秘めています。
一方で、Chapter2で登場した対策カードについても触れておきます。
最大の敵となりうるのは【2-092S】ユウナでしょう。アタック時にこちらのフォワードすべてのアビリティを失わせてくるので、ジタンの絶対的な優位性である「選ばれない」能力が失われ、対応可能なフォワードとなってしまうのです。
とはいえ、直接的なジタンの対応策というわけではないので、これから先もジタンへの対策は必要になるでしょう。