FF-TCG:CRYSTAL CUP 決勝大会 トップ8タイプ別デッキ解説
ここでは、トップ8に残ったデッキをそれぞれタイプ別に分けて解説していこうと思います。トップ8の内訳は以下の通りです。
トップ8内訳
火水:4人(優勝者)
火土:2人
火土風:1人
火単:1人
火単
まずはじめに紹介するのは5位に入賞した火の単属性デッキです。
『FF-TCG』では属性ごとに得意とする分野があるため、基本的には長所と短所を補えるよう、2属性で組まれるのが定石と考えられています。
しかし、単属性で組む場合の利点も存在します。その一つがバックアップをスムーズに置けるという点です。とくに最初のバックアップは2属性のデッキではCPにするカードを選べない場合も多いのですが、単属性ならば好きに選ぶことができますし、1コストのバックアップを効率よく置いていくことができます。すべてのバックアップが火属性なので、コストに火属性のCPが必要な【1-003C】赤魔道師なども軽快に使っていけるというのも利点になるでしょう。
火属性はフォワードの層が厚く、また、1コストのバックアップが【1-014U】ドッジなど必ず入るため、単属性で組めるだけの基盤は整っているといえるでしょう。
■5位 『火単デッキ』
フォワード 26
バックアップ 17
召喚獣 7
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デッキ構成としては、【3-017U】ロッソといったダメージに強いフォワードの採用が特徴として挙げられます。これも火属性に対して強いフォワードという点で優秀なカードです。
こうした理由から、デッキ構築としては非常に理に適ったデッキではあります。ただ、単属性の弱点というのは、その欠点を補うことができない点です。準決勝ではネックとなる【3-083R】アーシェを突破しきれずに惜しくも敗北していることもあり、今後も対策カードをいかに突破していくかが課題の一つになるでしょう。
次は優勝者を含め4人をトップ8に送った『火水』デッキです。
火水
『火水』デッキのコンセプトは、【4-012S】ビビを中心とした火属性の火力と、水のアドバンテージと展開力を組み合わせたデッキです。
単体のフォワードのパワーはそれほど高くはないですが、それぞれがアビリティによって何らかの効果を持つため、常に損をしないように振舞うことを目的として行動をします。手札を常に保ちながら、対戦相手の攻勢をかわし、逆に攻勢に転じるという流れは火水の得意とするところでしょう。
また、この組み合わせはバックアップが優秀であるというのも利点です。【1-003C】赤魔道師と【1-146U】ユウナは火と水属性を選択する場合、必ず入るといっても過言ではありません。とくに【1-015S】バハムートを使う場合は、【1-146U】ユウナは最良のバックアップになるでしょう。
【4-099R】ジタンへの対処が容易であるという点も見逃せません。手札を3枚以上にしやすく、4000ダメージといった細かいダメージを簡単に与えることができるため、ほかの属性に比べて【4-099R】ジタンをフィールドに残してしまうことが少ない組み合わせと言えます。
■2位 『火水』
フォワード 24
バックアップ 18
召喚獣 8
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■3位 『火水』
フォワード 24
バックアップ 16
召喚獣 10
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■7位 『火水』
フォワード 24
バックアップ 17
召喚獣 9
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次に、優勝者のデッキを取り上げたいと思います。
■1位 『火水』
フォワード 25
バックアップ 17
召喚獣 8
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優勝者のデッキには火属性に対して強い工夫がなされているので、その点に注目して解説していきます。
火属性に対して強いカードというのは、ダメージに対して強いカードを指します。火属性によっては選ばれないものや単純にパワーの高いもの、ダメージを無効化するものなど、もともと【3-083R】アーシェというキラーカードはありますが、相手も水属性を使っていた場合、それだけでは差をつけることはできません。ですが、このデッキでは【4-087C】ギースが使われており、それによって、相手の【4-012S】ビビ、【2-006U】サッズなどの強力なフィールドコントロールカードの効力を弱めることができます。
また、【2-097U】ローザが採用されているのもポイントです。とくに消耗戦で召喚獣の打ち合いになりやすい『火水』対決では、【2-097U】ローザを置かれている状況では長引けば長引くほどに手札に差がついていきます。
その枠を取るために、ほとんどのプレイヤーが採用している【2-006U】サッズ、【1-014U】ドッジのコンビが使われていないというのも特筆すべき点です。これらのアビリティが状況依存で、【4-087C】ギースや【3-083R】アーシェが対戦相手のフィールドにいると効果が薄いというのも確かなので、同型が多いならばほかの有用なカードに変えるというのは良い選択だったでしょう。
純粋にパワーの高い【1-133S】ティーダを3枚使っていることからもコンセプトは明確に感じられる構築で、今回の優勝も納得のいくところではないでしょうか。
次はこのトーナメントで一番多かった『火土』デッキについて解説していきます。
火土
『火土』デッキは土属性の強力なフォワードと火属性の強力なダメージソースを持ちます。単体のカードパワーが非常に高く、フィールドをコントロールする力は環境随一です。
■4位 『火土』
フォワード 25
バックアップ 17
召喚獣 8
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■8位 『火土』
フォワード 24
バックアップ 18
召喚獣 8
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火属性についての解説は十分だと思いますので土属性について少し解説していきましょう。土属性の最大のメリットは【1-090S】シャントットを使えることです。【5-086S】シャントットは劣勢を一気に跳ね返せるだけでなく、それを意識しなければいけないということで、対戦相手の自由な展開を阻害することができます。
それに加えて、優秀な単体除去と【1-015S】バハムートなどの召喚獣によって、一気に盤面をひっくり返ることができます。
また、バックアップの属性のベースも非常にしっかりとしているのも特徴です。【2-059U】セルフィも使うことで、2属性でもバックアップのアクションアビリティを無理なく使うことができるでしょう。
加えて、【3-053S】ヴィンセントや【4-064S】ディリータ、【2-060S】プリッシュといった強力なフォワードを擁し、隙のないデッキのように見えますが、欠点もあります。
コストが若干重く、展開力に欠けるというのがこのデッキの欠点の一つに挙げられます。4コストに強力なフォワードが集中しており、4コスト過多になりやすいのも悩ましいところです。また、【1-015S】バハムートの使い方についても【1-146U】ユウナを使える『火水』に比べると、バックアップ5枚すべて埋めないと効率的に使えないため、コスト効率の面で劣っていることは否めません。
また、展開に差を付けられてしまうと厳しく、バックアップを相手に多く並べられてしまう展開では、【1-090S】シャントットを仕方なく使わされるといったこともしばしばあります。
土属性は【1-097U】ヘカトンケイルといったバックアップをブレイクするカードがあるので、それをうまく使い、【1-090S】シャントットを自分の流れで使っていくことが重要なポイントの一つになります。
火土風
■6位 『火土風』
フォワード 23
バックアップ 18
召喚獣 9
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この、6位のデッキは【1-097U】ヘカトンケイルに加えて【1-162S】セフィロスも使い、バックアップ破壊に特化したスタイルになっています。土属性を使わない2属性以上のデッキは、片方の属性のバックアップをブレイクされることで、効率良くカードをプレイできなくなるので、フィールドをコントロールしやすくなると言えるでしょう。『火水』などは【1-145R】ユウナや【1-003C】赤魔道師といったキーとなるバックアップがはっきりとしているのでバックアップをブレイクできることは大きなポイントです。
また、このデッキは『火土』ベースですが、風属性をタッチして【1-060S】ジタンと【1-051U】アレキサンダーを加えています。前述したように『火土』はカードパワーこそ高いものの、重く展開力に欠ける問題や、高いパワーとコストを持つフォワードが1体のみ出てきた場合に有効なカードが少ない(【1-015S】バハムートや【1-090S】シャントットでは対処したくないときなど)というのが存在します。
【1-051U】アレキサンダーという軽いコストで対処できるのは大きな利点です。【2-006U】サッズに加えて【1-060S】ジタンがいることで、除去に対して強いというのも心強い点ではないでしょうか。
『Chapter Ⅳ』までの総決算として全体の属性の解説とトップ8のデッキリスト、及び、簡単な考察をしていきました。『Chapter V』発売後の環境はどういったものになるのか、『MASTERS』向けて参考にしていただければと思います。