第62回 FF-TCG マスターズシリーズへ向けて、『ChapterV』注目カード紹介 -
いよいよ『ChapterV』が発売となりました。早くも先週末には「MASTERS」シリーズが開幕と、『ChapterV』を加えたトーナメントが各地で開催されていきます。
そして、『FF-TCG』では『ChapterV』の発売から、使えるカードの範囲の違う2つのレギュレーションが採用されます。
1つはすべてのカードとプロモーションカードが使える「スタンダード構築」、もう一つは『ChapterV』とNo.031以降のプロモーションカードのみが使える「ChapterV構築」です。店舗大会では4月から、「MASTERS」シリーズでは5月から「ChapterV構築」で行なわれる所もありますので、トーナメントへは事前に大会形式の方を確認してからご参加いただけるようお願いします。
今回は新しいレギュレーションへの指針として、『ChapterV』の注目カードを「スタンダード」構築、『ChapterV』構築で属性ごとに1枚ずつ紹介していきますので、デッキ構築の1つの参考にしていただければと思います。
火属性
◆スタンダード構築◆
【5-001S】アジドマルジドは10000ダメージを与える効果によって、たいていのフォワードをブレイクすることができます。バックアップとしては重いカードとなるので、スタンダード構築では【2-001U】アーヴァインといった同系統のバックアップの代わりに入ることが多いのではないでしょうか。
【3-053S】ヴィンセントのような一線級のフォワードをブレイクできるほか、スタンダード構築では召喚獣の幅も広く火属性だけでも【1-015S】バハムートという高コストで強力な召喚獣を使えるので、アクションアビリティも有効に活用できるでしょう。
【5-001S】アジドマルジドは対戦相手の召喚獣に対してもアクションアビリティを使用できることは覚えておきましょう。逆にいかに【5-001S】アジドマルジドをうまく使われないかということも考えなくてはいけないかもしれません。
◆ChapterV構築◆
【5-017U】バハムートは使い勝手がよく、スタンダード構築でも使用されるであろう召喚獣ですが、選択肢が多くはない「ChapterV」構築においては、火属性では確実にデッキに組み込まれることでしょう。
前述した【5-001S】アジドマルジドも強力なバックアップになりますが、「ChapterV」構築では【5-154R】星の神子を使用されたときに能力を完全に封じられてしまうリスク、そして、モンスターに対しては効果的ではないという欠点があるため、それらが多く使われる可能性がある環境では【5-017U】バハムートよりも安定して活躍することはできないとも言えます。
EXバースト時にならばパワーの上がっていない【5-095L】マッシュをブレイクできるのも地味ながら重要な点です。【5-095L】マッシュを使ってでアタックする場合はダメージを与える前にパワーを上げておくといいでしょう。
氷属性
◆スタンダード構築◆
召喚獣の幅広い方が強いという点で、【5-001S】アジドマルジド以上に直接的に影響があるのが【5-042L】ティナです。【5-042L】ティナを使える氷属性の召喚獣は効果のバリエーションが多くありませんが、それでも、クセのある高コストの召喚獣をデッキに1枚入れておくだけで臨機応変に使っていくことができます。
氷属性+αのデッキにおいては、さらにその選択肢も広がるため、氷に今まで組み合わせることが難しかった属性を組み合わせたデッキなども生まれる可能性を示しているのではないでしょうか。
【4-104S】戒律王ゾディアークや【4-100S】聖天使アルテマなどが格段に使いやすくなったという点は重要なので、しっかりと意識しておきたいところです。
◆ChapterV構築◆
モンスターの中でも攻撃的に運用できるのが、フォワード時に【1-039U】スノウのオートアビリティを有している【5-045U】ヌマニュウドウです。モンスターなので、【4-012S】ビビなどに代表されるフォワードに対してのオートアビリティを受けづらく、置いておくだけでも、大きなプレッシャーを与えることができます。
特に【1-039U】スノウがいない「ChapterV」構築では、【5-039S】セリスなどのダル状態のフォワードをブレイクするといったアビリティを有効に使うためのパートナーとしても使えるため、使用頻度はより高いモンスターになるでしょう。
風属性
◆スタンダード構築◆
【5-062S】セッツァーはパワーこそ平凡ですが、特筆すべきは1CPと1枚の手札で4000ダメージを与えることができるアクションアビリティになります。4000ものダメージともなれば、すべての手札が【1-004C】イフリートと同様となるため、ほとんどのフォワードに対処できるようになるでしょう。余ったバックアップなどを有効利用するのはもちろん、【3-012R】パロムなどと組み合わせてみるのも面白いかもしれません。
【5-062S】セッツァーに対しては【1-141R】ミンウや【5-154R】星の神子といったカードがキラーカードになるものの、スタンダード構築においては【1-072C】弓使いを使うことができるので、これらのバックアップをブレイクすることは十分可能なので、活躍する機会も多くなってくるはずです。
◆ChapterV構築◆
現在コスト5以上のモンスターカードは存在しないので、【5-051U】アーリマンの効果は【1-051U】アレキサンダーと同様の効果になります。EXバーストこそ持ちませんが、「ChapterV」構築において、コスト5以上のフォワードを効率的にブレイクできる代表的なカードとなるでしょう。
風属性を使う場合は確実に選択肢になり、置いておくことができるのでコストの支払いという点でも効率的に運用できます。「ChapterV」構築では【5-086S】シャントットや【5-160R】闇の王といったダメージで対処しにくいフォワードに対して有効であり、定番のモンスターの一つになるでしょう。
土属性
◆スタンダード構築◆
新しい【5-093R】プリッシュは非常に有用性の高いカードになっています。ダル状態のフォワードをブレイクするという効果を持つフォワードというだけでなく、EXバーストを持っているので相手にプレッシャーを与えデッキの逆転要素として底力を挙げてくれるカードになっています。
スタンダード構築では、「ChapterⅡ」の【2-060S】プリッシュと共に使えるため、それぞれの特徴を生かした戦い方もできます。単体でも使い勝手は良いのでデッキに組み込みやすく、土属性のEXバーストでもっとも警戒すべきカードになるのではないでしょうか。
また、直接的なダメージ源となるスペシャルアビリティを持つので最後の1点を削るための飛び道具として思わぬ働きをすることもあるでしょう。
◆ChapterV構築◆
「ChapterV」構築の環境はモンスターが強力なカードとして挙げられます。しかし、そのモンスターをブレイクできるカードも存在し、その内の一つとなるのがこの【5-085C】PSICOM治安兵です。
モンスターをブレイクできるカードというのは、それだけの効果だった場合は相手がモンスターを使ってこなかった場合にリスクが大きくなります。しかし、この、【5-085C】PSICOM治安兵は自身がパワー6000のフォワードということもあり、ブレイクしつつ、攻守に活躍が期待できるので最低でもフォワードとして使っていくことが可能です。
その代わり、コスト3以上のモンスターはブレイクできないので、頼りきることはできませんが、モンスターと戦うには必要なカードの一つになります。
土属性を相手にする場合は不用意にモンスターを出さないという戦い方も必要になってくるでしょう。
雷属性
◆スタンダード構築◆
フォワードだけでなくモンスターもブレイクできることで、【5-111U】ドラゴンは雷属性のメインの除去カードとなる可能性を秘めています。
特に【5-147S】リルムと組み合わせることで、使いまわすことができるため、水雷などの組み合わせでは【1-103R】オーディンよりも優先して入れることも少なくないはずです。スタンダード構築ではさらに【3-098S】レナを使用することもできるため、連鎖的に【5-111U】ドラゴンの需要というのも高まる形になります。
【5-111U】ドラゴンはこれからの雷属性でもっともよく見ることになると言ってもいいカードですので、対策も考えておきたいカードです。【2-104R】皇帝などはキャラクターのアクションアビリティを封じられるので、【5-111U】ドラゴンも封じることができます。キャラクターに対して影響のあるカードを見直してみるのもいいかもしれません。
◆ChapterV構築◆
スペシャルアビリティの『ドリル』は「フォワード1体を選ぶ。それをブレイクする」というシンプルな効果ではありますが「ChapterV」構築の環境では貴重で強力な効果になります。
例えば、弟の【5-095L】マッシュはダメージには強いものの、ブレイクするという効果への耐性は無いため、【5-102S】エドガーなどを含めた雷属性で対処するというのが効果的になるでしょう。アクションアビリティも戦闘での有用性は高く、スペシャルアビリティが強力なため、レベルアップ元の【5-103U】エドガーと共に使っても無理なく運用できるでしょう。
雷属性の基盤となるフォワードになるのではないでしょうか。
水属性
◆スタンダード構築◆
【5-137U】ストラゴスはフィールドに出たときに自分のコントロールするキャラクター1体を戻せるというオートアビリティを持っています。これによって、キャラクターがフィールドに出たときの効果を繰り返し使うことができます。
たとえば、先に行なわれたクリスタルカップで活躍した『火水』であれば【4-012S】ビビや【1-018R】フリオニールなど多くのオートアビリティを持つキャラクターがいたため、それらとの組み合わせは大きな相乗効果が期待できます。水属性絡みの既存のデッキをブラッシュアップさせる場合、まず【5-137U】ストラゴスが候補にあがることでしょう。
注意点として、【5-137U】ストラゴスの効果は選ぶ効果ですので、戻したいキャラクターを選んだ後に割り込みでブレイクされると戻すことはできません。対処する場合も意識しておくといいでしょう。
◆ChapterV構築◆
モンスターが多く使われる環境では、それに関連したカードも活躍する機会が多くなります。
【5-147S】リルムは【5-111U】ドラゴンや【5-051U】アーリマン、【5-129C】グリーンドラゴンといった自身をブレイクゾーンに置くことで効果を発揮するモンスターと相性がいいため、それらのモンスターをより有効に使うために重要な役割を果たします。【5-147S】リルムがデッキに入っていれば、序盤で手札に来たモンスターをコストとして気軽に使えるので、戦略上でも重要な存在になるでしょう。
フォワード化するモンスターを使って、ダメージを稼ぐこともできるので、水属性としては貴重なヘイスト役としても使えるため、幅広い用途で活躍が期待できます。
光属性
◆スタンダード構築◆
【5-152S】セラはモーグリデッキの主軸になるフォワードです。
【1-151R】ウォーリアオブライトの一般兵デッキのような形と考えられがちですが、【5-152S】セラの場合は、フォワードの枠を多く取ることはなく、ほとんどがバックアップのモーグリ達とフォワードの【5-152S】セラでデッキのシステムを組み上げることができます。
これがどういうことかというと、フォワードの枠を圧迫せずにモーグリデッキを構築できるので、他の部分を自由に変えることで様々な形を取れるということになります。
【5-152S】セラがどの属性にも組み込めることもあり、デッキタイプというよりも、セラとモーグリ達のユニットをデッキに組み込むといった形でも使えるので、コンセプトカードでありながら、常に投入を検討できるタイプのカードであるとも言えるでしょう。
◆ChapterV構築◆
「ChapterV」構築ではバックアップをブレイクできるカードが限られているため、バックアップである【5-154R】星の神子もブレイクされにくくなっています。
相手のフォワードへの干渉をキャラクターのアビリティに依存したデッキでは、この【5-154R】星の神子に封じ込められるということも十分考えられるので、意識して構築もしておくといいでしょう。
【5-154R】星の神子自身は強い効果ではあるものの、防御的で価値は相手次第なこと、そして、光属性のバックアップであるので光属性のCPしか出ないことが欠点になるため、決して使いやすいカードではありません。それでも、相手次第で劇的な効果を発揮するので、環境次第では重要なカードになってくると言えるでしょう。
闇属性
◆スタンダード構築◆
可能性という点では【5-156S】カイアスは面白い能力を持っているフォワードです。
コンボとして考えるならば、第1ターンでの【1-092U】ディリータとの組み合わせで自ら【5-156S】カイアスをブレイクして対戦相手の手札をすべて捨てさせられるコンボがまず挙げられます。ただ、先攻でないと効果が薄く、また、決まっても勝利ではなく、そもそも、【5-146U】リヴァイアサンなどで防がれてしまうといった欠点もあります。
序盤ではなく中盤以降の運用を考えるなら、【1-052U】ヴァルファーレなどとの組み合わせで戻した後に【5-156S】カイアスを出して【3-086U】暗黒の雲ファムフリートなどでブレイクゾーンに置き、フォワードをすべて捨てさせるといった形も考えられるでしょう。
様々な要因が組み合わさると力を発揮するカードだけに研究しがいのあるカードとして、意欲的に使われるカードになるのではないでしょうか。
◆ChapterV構築◆
ダメージに対して耐性のあるという点で、【5-160R】闇の王は強力なフォワードです。ブレイブを持っており、攻守に優れた制圧力を持っています。
「ChapterV」構築環境では5コストということで【5-111U】ドラゴンでもブレイクされず、効率的にブレイクできるカードは【5-051U】アーリマンや【5-122R】ライディーンなど限られたものになります。攻撃的なデッキを組むならば、確実に選択肢に加えていいフォワードとなってくるので、対策カードもいくつか入れておくといいかもしれません。
簡単ではありますが、各属性からの注目カードを挙げてみました。自分自身のデッキをこれからどう変えていくか、一番楽しい時期でもあると思いますので、ぜひ、楽しんで考えてみてください。