第60回 【FF-TCG ChapterV カードプレビュー -第5回 FINAL FANTASY Ⅵ 】-
『ChapterV』に収録される新規タイトルの中で、最後に紹介するのが『FINAL FANTASY Ⅵ』です。
SFC時代の『FF』の最後を飾った『FINAL FANTASY Ⅵ』は失われた「魔法」の力を背景に14人のキャラクターすべてを主人公として群像劇が展開される作品で、今でも高い人気を誇っています。その理由は、個性溢れるキャラクターが魅力的であると同時に、洗練された戦闘システム、機械と魔法を融合させたファンタジー世界観など、それまでの『FF』の集大成とも言える完成度で作られているからと言えるかもしれません。
『ChapterV』では、『FINAL FANTASY Ⅵ』で使用できるプレイヤーキャラクター14人すべてが登場し、それぞれ2種類のカードが収録されています。また、『FINAL FANTASY Ⅵ』のキャラクターに備わった新しいシステムとして「パーティーアイコン」が、そして新しいレアリティである「レジェンド」も追加されています。
まずは、1つ目の特徴である、「パーティーアイコン」を中心に紹介していくことにしましょう。
セリス
では、パーティーアイコンについて、説明していきましょう。
パーティーアイコンは『ChapterV』で『FINAL FANTASY Ⅵ』から登場するキャラクターに備わったアビリティになります。
その効果はパーティーアイコンを持つもの同士は属性がちがっていても、パーティーを組むことができるというものになっています。効果的には分かりやすいアビリティと言えるのではないでしょうか。そして、「パーティーアイコン」を利用したアビリティによって、付加価値を持つものが多くあるのが特徴の一つです。
たとえば、【5-040U】セリスならば、ロックとパーティーを組んだときにブレイクされないというアビリティを得ることができます。この場合のブレイクされないという条件はパーティーが解かれるまでの間のみですが、【5-040U】セリスはレベルアップを持っているので、多くの場合はそのアタックでレベルアップすることができるでしょう。
そして、レベルアップすることで2コストの【5-040U】セリスは、4コストの【5-039S】セリスとなり、よりその「パーティーアイコン」を利用した特性を強化することになります。
レベルアップしたセリス
【5-039S】セリスは「パーティーアイコン」を持つフォワードとパーティーを組んでアタックしたとき、つまり『FINAL FANTASY Ⅵ』のフォワードとパーティーを組んでアタックしたときに、ダル状態のフォワード1体をブレイクするというオートアビリティを発動します。氷が得意とするダルにするアビリティや召喚獣を使うことで有効に使えるケースが多くなり、それらと組み合わせることで、強力なアビリティとなってくれるでしょう。
スペシャルアビリティの魔封剣も相手に与えるプレッシャーは十分で、相手は自由に召喚獣を使うことができなくなるなど、抑止力としても優秀です。
このように「パーティーアイコン」というつながりがあるというのも『FINAL FANTASY Ⅵ』のキャラの特徴になります。しかし、個性あるキャラクターがそろっている『FINAL FANTASY Ⅵ』では、キャラクターにあった能力のデザインというのも見どころの一つになります。続けて、ガウとシャドウを紹介していきましょう。
ガウとシャドウ
【5-079U】ガウはレベルアップこそ持ちませんが、スペシャルアビリティの「とびこむ」によって、疑似的にレベルアップと同じ働きをし、また、その際に強力なモンスターカードを一緒にフィールドに出すことができるため、カードのアドバンテージでも効率的に動くことができます。
そして、【5-105R】シャドウはヘイストとレベルアップという、今まで誰も持っていなかった組み合わせのアビリティを持っています。単体でもレベルアップしやすく、ヘイストによって「パーティーアイコン」を参照して発揮されるアビリティとも相性が良いと言えるフォワードです。
それでは、それぞれの成長した先の姿を見てみましょう。
レベルアップしたガウとシャドウ
【5-078R】ガウはモンスターに対しての特徴を強化しており、先制攻撃を持つ【5-105R】シャドウはそのダメージを飛ばすアビリティと相まって戦闘では無類の強さを発揮してくれます。
デッキ構築でも、【5-078R】ガウは『ChapterV』で加わったモンスターを多く採用するデッキにはうってつけの存在です。【5-105R】シャドウは単体での強さはもちろん、【5-155R】ライトニングをアクションアビリティで除外して、呼び出すという方法を取ることもできるため、ちょっとしたコンボ的な動きをするキャラクターとしても使えるでしょう。
共に、新しいコンセプトでデッキを組める個性的なカードとして使っていけると思いますので、発売後はぜひ、それぞれのキャラクターでどんなデッキが作れるかというのを考えてみてはどうでしょうか。
それでは、最後に『FINAL FANTASY Ⅵ』の2つ目の特徴になるレジェンドカードを紹介していくことにします。
レジェンドカードは新しいレアリティのカードとして登場し、とくに人気のあるキャラクターを収録したカードになります。『ChapterV』で登場するレジェンドは3種類。『FINAL FANTASY Ⅵ』からロック、ティナ、マッシュの3人がレジェンドとして登場することになります。
その内の2枚、【5-074L】ロックと【5-042L】ティナのレジェンドカードを紹介していくことにしましょう。
ロック
トレジャーハンターであるロックはバランスのよいアビリティを3つ持っているフォワードです。
一つ目は対戦相手のターンには効果によっては選ばれないというアビリティ。【1-060S】ジタンなどに比べれば不完全ではあるものの、【4-012S】ビビや【1-112U】シーモアといったキャラクターの持つオートアビリティに強い効果と言えるでしょう。【1-103R】オーディンといった召喚獣で対処はできるとは言え、効率よくブレイクできるデッキは限られてきます。
それならばある程度放置しておけば……、と、させないのが2つ目のトレジャーハンターとしての能力です。【5-074L】ロックは対戦相手にダメージを与えると、ブレイクゾーンのバックアップを1枚手札に戻すことができるため、【5-074L】ロックによってダメージを受け続けると、致命的なアドバンテージを奪われることになるのです。
そして、切り札となるのが、スペシャルアビリティの「ミラージュダイブ」。ブロックされなくなるというシンプルな効果ではあるものの、2つ目のアビリティとも噛み合っており、最後の決めだけでなく、アドバンテージを得るためにあらゆる局面で使っていけるでしょう。
パワー6000というのが弱点の一つとなりますが、それを補えるだけの身軽さとバランスのよさが【5-074L】それを補って余りあるロックの強みとなってくれるはずです。
次にストーリーでも中心となる【5-042L】ティナを紹介していきましょう。
ティナ
『魔法』の力を持つティナは、召喚獣を巧みに操るフォワードとして登場します。
フィールドに出たときにデッキから好きな召喚獣をサーチして手札に加えられるため、状況に応じて召喚獣をサーチしてその劣勢を覆すことや、勝利を決定付けるなど、さまざまな用途でデッキの召喚獣を使っていくことができるでしょう。
とくに多くの枚数を入れづらい【4-104S】戒律王ゾディアークや【4-100S】聖天使アルテマといった光と闇の召喚獣をサーチできるのはうれしい点です。他にも【5-036C】シヴァや【1-015S】バハムートなど、状況に応じて劇的に力を発揮するカードと相性は抜群といってもいいでしょう。
アビリティの強さが召喚獣に依存しているため、モンスターカードとの兼ね合いなどから、召喚獣の枠を大きく取れない場合は使い勝手自体は難しくなるかもしれません。それでも、実質的に2コスト、パワー6000で運用できるコストパフォーマンスの良さや、スペシャルアビリティでさらに召喚獣をサーチできる点など、サポートだけではなく、デッキの中核としてすえることもできるフォワードになっています。
バックアップや召喚獣に注目して、【5-074L】ロックや【5-042L】ティナを活かせるデッキを考えてみてはどうでしょうか。
それでは、これで『ChapterV』のプレビューは終わりになります。明日から『ChapterV』のプレリリースパーティーが開催されます。もう1枚のレジェンドカードやまだ見ぬカードたちを探しに出かけてみてはいかがでしょうか。