第8回 FFTCGデッキラボラトリー:Chapter1環境まとめ編:水雷ティーダ
前回・前々回とChapter1環境の代表的なデッキである2種類の【1-060S】ジタンデッキを紹介してきましたが、【1-060S】ジタンを使わないデッキも紹介していきましょう。
今回紹介するのは、一撃必殺ならChapter1最強の水雷ティーダデッキです。
■水雷ティーダサンプルデッキ
フォワード 計20枚
召喚獣 計12枚
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バックアップ 計18枚
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■このデッキのキーカード

このデッキのキーカードは、デッキ名にもなっている【1-133S】ティーダです。
このカードの最大の特徴は、Chapter1唯一といっていい大逆転要素であるスペシャルアビリティ『エース・オブ・ザ・ブリッツ』です。
自分のダメージ分だけアタックできる、逆境であればあるほど強力なこのクセのある能力を最大限に活かし、相手の虚を突いて大逆転劇を演出するのがこのデッキの目標となります。
追加で投入されている【PR-006】ティーダは、スペシャルアビリティ用の弾として使われることがほとんどなので、【1-134U】ティーダでも基本的にはかまいませんが、一応対【1-060S】ジタンとして優秀なこちらをできれば採用したいところです。
■キーカードを活かすコンセプト

このデッキのコンセプトは特大の『エース・オブ・ザ・ブリッツ』を対戦相手にたたき込むこと、です。とはいえ、大ぶりなこの必殺技を決めるには、相手に隙をつくらせなければなりません。
隙をついての一撃において、もっとも重要な働きを果たすのが、【1-101C】赤魔道師によるヘイストです。フィールドに、【1-101C】赤魔道師と雷・水を1枚ずつ含むバックアップがあり、【1-133S】ティーダを含むティーダが2枚と、水属性のカードを含むその他のカード2枚の合計4枚の手札があれば、奇襲が可能です。
水属性バックアップと何かしらのバックアップから2CPをうみだし、手札から2CPをうみ出すことで、【1-133S】ティーダをフィールドに出し、【1-101C】赤魔道師でヘイストを付与。手札の水属性のカードを捨てて生み出した水の2CPともう1枚のティーダによって『エース・オブ・ザ・ブリッツ』を使えば、奇襲完成です。自分のダメージ量+ティーダ以外のフォワードの数+相手のダメージ量が7を超えていれば、EXバーストが無い限り勝利です。
とはいえ、これは、相手がブロックできるフォワードを用意しておらず、また、手札に【1-133S】ティーダをブレイクできるカードを持っていない場合という理想論です。
その理想的な状況を作り上げるのが、このデッキの裏のコンセプトと言っていいでしょう。
理想的な状況を作り上げるために必要なことは3つです。
1.相手のブロック用のフォワードをできるだけ減らす。
2.相手の手札をできるだけ消耗させる。
3.相手から受けるダメージを自分に都合が良くコントロールする。
これらの目標を達成するべく、【1-116S】ライトニングや【1-162S】セフィロスといったコスト対効果に優れた大型フォワードでプレッシャーを与え、ある程度のダメージを与えておくと共に、相手に手札を使わせて対処させることが重要です。
こういったコスト対効果に優れたフォワードを相手が枚数的に損をするように対処すればするほど、奇襲時の対応として相手がブロッカーや召喚獣、そのためのCPコストに費やせるカードが少なくなるというわけです。
また、【1-146U】ユウナは攻防に活躍してくれるスーパーカードです。【1-103R】オーディンを2コスト、つまり実質的な手札1枚で使用することができるため、枚数的な得をしにくいこのカードを効果的に使い、また、相手が与えてくるダメージを都合良くコントロールすることができるようになります。【1-147U】リヴァイアサンとあわせ、これらの召喚獣を、ギリギリまでダメージをうけつつ、相手が最も損をするタイミングを見計らって使用していくのがこのデッキをマスターするコツです。
■水雷ティーダの弱点

水雷ティーダは、ある程度フォワードを並べ【1-133S】ティーダのパワーを上げることで、火風ジタンにはそれなりに戦えるデッキです。
しかし、一方で雷風ジタン相手には相当な苦戦を強いられるでしょう。そう、【1-133S】ティーダ最大の敵は雷属性なのです。
【1-103R】オーディンは事実上対処不能であり、バックアップ1体と手札が2枚あればいつでも飛んでくるため、相手が万全に見える体勢でこちらの奇襲に備えることを可能にします。『エース・オブ・ザ・ブリッツ』を決めるためだけに、枚数を稼ぎ、その全てをつぎ込んで勝負をかける水雷ティーダにとって、これだけ簡単に決め技を対処されてしまうのは苦しいでしょう。
同様に、水属性の【1-147U】リヴァイアサンや、氷属性の【1-033U】シヴァも注意が必要ですが、とくに雷相手には、無理に『エース・オブ・ザ・ブリッツ』に持ち込むのではなく、【1-116S】ライトニングや【1-162S】セフィロスで攻めるという戦略をとらざるを得ません。それでも相手の猛攻をしのぎきれない場合は……差し違える覚悟で『エース・オブ・ザ・ブリッツ』を打ち込むしかないでしょう。
■Chapter2以降の水雷ティーダ

Chapter1でも特異なコンボデッキと言える水雷ティーダはChapter2以降どう進化していくのでしょうか?
【2-068S】カインと【2-070E】カインの登場は、カードパワーの高いカードをおとりにして、相手の消耗を狙うこのデッキにとって追加のパワーカードとして心強い援軍です。【2-070E】カインは、対処される手札に対するコスト効率が期待できますし、レベルアップすればそれはそれで枚数で得できます。また、序盤・中盤の相手の攻撃をコントロールできる【2-085R】カイナッツォにも期待できます。
とはいえ、Chapter2で最大の恩恵は、【2-090C】魔界幻士の存在でしょう。
最大の敵である【1-103R】オーディンを無効化できるこのカードの存在によって、これまで以上に計算で相手に奇襲をしかけることが可能になるでしょう。
一方で、最大の障害となるのも【2-090C】魔界幻士かもしれません。【1-103R】オーディンが無効化されるとフィールドを支配することが難しくなってしまうので、思うように『エース・オブ・ザ・ブリッツ』を決めにくくなることが予想されます。また、EXバーストに弱いため、【2-101R】ユウナも軽視できません。
様々なデッキに対して、緻密な計算を求められる非常に厳しいデッキではありますが、一撃必殺による逆転は魅力的であり、また、強力です。対戦相手にしたときに、どのような状況で『エース・オブ・ザ・ブリッツ』を決められるかは、知っておきたいデッキです。